MEISTER(マイスター)


2015年2月私たちはドイツのチューリンゲンに行きました。
チューリンゲンはドイツの真ん中から東にかけて広大な森があります。
その中にはいくつものガラス工房が点在し、煙突からは煙が立ち上っていました。

「Meister」とは日本語で言うところの「職人」や「匠」にあたります。
ドイツはガラス工芸が盛んで、特に旧東ドイツのチューリンゲン州には数多くのガラス工房が存在します。
アトリグラスで扱う商品も、ここで生み出されたものが多くあります。
「ラジオメーター」「ガラスペン」「砂時計」「アクアバード」などです。

ラジオメーターの工房を見学させてもらった時、その工程の多さにびっくりしました。
もちろん簡単にできるものだとは思っていませんでしたが、こうも大変なものだとは思ってもいなかったのです。
その工程を簡単にまとめると以下の通りです。

制作工程

1、ガラス管を使って土台(首から下部分)を作る。
  デザインによってはこの時にひねりながら製作することで複雑な模様をつけます。
2、羽部分を作る。
  雲母という非常に薄い何層にも重なった鉱物を薄い板状にしたものを使い、少しづつ削りながらバランスをとります。
  さらに、出来上がった羽に煤(スス)をつけて羽の完成です。
3、ガラス管を使って今度は頭の部分を作る。
  バーナーで熱し、口で吹きながら球体にし、球体が出来上がった状態で羽を中に入れ、徐々に入り口をすぼめていきます。
  この時、入り口を完全に閉じるのではなく、細いストローのような状態にしておきます。
4、球体の中の空気を抜く。
  ストローの先の部分に機械を取り付け、中の空気を抜き、空気がなくなった状態で初めて口を閉じます。
5、球体部分と胴体部分をくっつけて完成。

どうでしょう?これを1万円台で買えるのは安いと思いませんか?
ところが、近頃はこういった製品を中国で安く作るところも多くあるようです。
このラジオメーターも、中国製で3,000円前後で売っているのを見かけます。
そんな話をメーカーの社長に聞いたところ、やはりそういった商品への危機感はあったようで、実際に中国製のラジオメーターを200個近く購入してみたそうです。
すると、それらは例外なくすぐに壊れてしまったとのことです。
それを見た社長は「我々がこれだけ丁寧に時間をかけて作っているものがこんな値段で真似できるはずがない。びっくりしたけれど、実際に見てみて安心した」とおっしゃっていました。
 
実際にアトリグラスでも中国で作っている商品もありますが、やはりこういうこだわった商品は、こだわって作っているところから仕入れたいと思っています。
確かに値段で言えば圧倒的に安いのかもしれませんが、なぜ値段が違うかを知っていただければ幸いです。
ラジオメーター以外にも「Meister」は素晴らしい商品をたくさん作って世に送り出しています。
そういうこだわりを商品と一緒に届けたいと私たちは考えています。